2016年7月19日

西日本林業経済研究会に参加しました

今月上旬の西日本林業経済研究会に参加して来ました。
今年は信州だけど開催母体が西日本の学会だから西日本で合っています。


信州大キャンパスに集合し、初日は薪ストーブの見学と二日目見学先、根羽村への移動。薪ストーブは日本での普及に制限があり、例えばデンマークが薪ストーブを多く生産しているがそれは暖炉を囲む伝統がある欧州を市場としているからで、国内や近隣諸国はそういう需要が少ないから薪ストーブや薪需要の拡大は難しいのだそうです。但し福祉施設と連携して先様にやり易い仕事を創出するとか、集荷圏を工夫するなど色々と努力されている様子でした。


一日目の宿がある根羽村の風景。林業系の研究会は伝統的にお酒を使うことが多く、今年は奮発してウイスキー特級時代の銘酒を予算制約線内で何とか仕入れ持っていきました。5本もあれば・・・と思いきや三本以上が一晩でなくなりました。次回から節約します。


二日目の根羽村森林組合。現在の日本林業は「業ではない」と言われて久しいのですが、その理由はお金の問題が殆どです。具体的には皆さんの見る製材製品の価格のうち、数割のみが丸太の価格です。そのうちから諸経費を差っ引いたものが山元への還元分となります。人件費も入っているので多くの場合赤字となります。ここでは自前で製材もすることで「経済的な意味で暮らせる山村」を作っている所が面白いと思いました。

有意義な一日の御礼に月瀬の大杉を拝してから次の見学地「森の発電所」に向かいます。


専攻の過去の研究でもバイオマス発電は多くありますが、全体的な傾向としては、製材や原木集荷で規模の経済を追求した余禄としてしか経済上の意味は薄いのが現状です。ここでは、木の持つ熱量を余さず利用し、発電機械を納入している企業も発電した「廃棄物」を利用した商品価値ある活用法を研究していました。

二日目の宿は信州大の演習林宿舎でした。


鹿などを材料に加えたバーベキューの後にまた飲み会(という名の研究会)となります。ここで信大修士課程の方が仕入れたスプリングバンクを御馳走になりましたが、皆早く飲んでしまい甘い香りが開く前に消費されていたのは残念でした。長期貯蔵で初めて味が出るミズナラの樽と少し似ているかも知れません。翌日は7時の起床の処、本日のファイナリストは二時過ぎまで飲んでいました。翌日の植木先生の報告は、信州の状況を横断的に整理したもので、同じ信州でも北信や南信といった地域別に産地の性格が違うことが良く分かり、大変勉強になりました。

三日目を終えると帰りとなりますが多くの人が長野と岐阜の境にある赤沢自然休養林を見学して帰り、午後は休養林周辺はよく晴れたのですが、帰路で局地的に豪雨が降り我々は一寸帰りが遅れました。天気が変わりやすいのも山の生活の特徴で、冬場には山一つ越えただけで雪が降ったり降ってなかったりします。

三木先生はじめ信大の皆様方には、大変有意義な研究会を有難うございました。

2016年7月1日


教員研究室からの景色です。
大文字を正面から見ることができます。